endodontics 根管治療
根管治療について
根管治療とは
歯の根の中をできるだけ無菌的な状態にして、専用の材料を充填する治療です。
治療が成功するかポイントは、いかに根の中を無菌状態にできるかなので、当院はそこにこだわっています。
こんな症状の方は根管治療が必要かもしれません
- 歯がズキズキ痛む
- 噛んだ時に違和感がある
- 歯が欠けてしまってほとんど残っていない
具体的な治療方法について
歯の神経が残っている場合の治療方法
神経が残っている場合の根の中は細菌感染が少ないので、できるだけ早く神経を取って、専用の材料を充填します。
歯の神経が残っていない場合の治療方法
神経が残ってない場合の根の中は細菌に汚染されています。細菌感染が疑われる部分を取り除いてから薬を入れて殺菌します。細菌の数がある程度少なくなったことを確認してから、専用の材料を充填します。
根管治療を行うための当院の取組み
無菌的な環境をつくりだすラバーダム防湿
唾液には非常に多くの細菌が含まれており、治療中の歯の中に唾液が入ってしまうと、根管内での二次感染のリスクが高まります。そこで、ラバーダムというゴムのシートを用いた処置を施すラバーダム防湿という方法があります。
アメリカの歯内療法専門医のラバーダムの使用率は90%以上、一般開業医でも76%がラバーダムをほとんど使用すると答えたと報告されています。
これと比較して、日本の一般歯科医師が必ずラバーダムを使用すると答えた割合は、わずか5.4%という報告があります(このことが日本における根管治療の成功率の低さの原因とも言われています)。
当院では、二次感染を予防し、より精度の高い根管治療を行うために「ラバーダム」を用いた無菌的環境下での根管治療を行っています。治療する歯だけが出るように、他の歯にゴム製のシートを被せることで、細菌の侵入はもちろん、口腔内に薬剤が流れ込むことを防ぐ効果があります。
CTを用いた、より正確な病状の把握
歯や根管を3次元で診断し、病巣を可視化します
従来の2次元のパノラマレントゲン写真では診断できなかった、根の細かい枝や嚢胞・破折などを、CT撮影によって精密に可視化させ、より正確な診査診断を行うことが可能です。
ニッケルチタンファイルによる安全性を高めた治療
組織へのダメージを抑えつつ、効率的な処置が可能です
「ファイル」とは、針金状の形で側面がやすりのようになっている器具で、根管治療の際に感染した神経や歯質を削り出す際に用いられます。従来のファイルはステンレス製が主流でしたが、柔軟性の低さから湾曲した根管の形を変えてしまう欠点がありました。
当院で導入しているニッケルチタン製のファイルは、非常にしなやかな性質を有しており、湾曲した根管の形を壊すことなく感染した組織を削り出すことができます。また、ニッケルチタンファイルは回転する機械(ロータリーエンジン)に装着して使用するため、従来のものと比べるとより効率的かつスピーディーに治療を行うことができます。
根管治療の流れについて
- 被せ物・土台の除去 神経治療が必要な歯は大抵、被せ物や土台が入っていることが多いです。それらをつけたままでは治療ができないので、除去します。
- 虫歯を除去する 虫歯が残ったまま神経の治療をすると、治療中に神経の中に虫歯の細菌が入ってきて汚染されてしまいます。なので神経を触る前に、う蝕検知液などをつかって徹底的に虫歯を取り除きます。
- 唾液の侵入を防ぐ壁をつくる 治療中に唾液が根の中に入ってくると、細菌も一緒に入ってきてしまい成功率が下がります。虫歯を除去した後の歯は唾液が入りやすいので壁をつくって唾液の侵入を防ぎます。
- ラバーダムをする これも唾液の侵入を防ぐためのこだわりです。ゴムのシートでお口全体を覆い、治療する歯だけシートの上に出して治療をしていきます。治療時の薬剤がお口の中に流れ込まないようにする目的もあります。
- 神経の管を広げていく 神経の入っている管はとても細いため、細菌を洗浄するための薬剤が浸透していきません。研究により薬剤を浸透させるために最低限必要な太さが算出されていますので、それに合わせて根の内部を削って神経の管を太くしていきます。
- 専用の材料を充填する 根の中の細菌の減少を確認してから、ガッタパーチャーという専用の材料を管を充填し、細菌が入ってこないようにします。状態によってはMTAセメントという材料で充填することもあります。